【国際交流:実践園レポート③】栄美幼稚園。世界交流は、こどもたちが伸びるひとつのチャンス

私たち株式会社シンクアロットが、「こどもたちの世界観を広げる」をミッションに提供する、園向けの世界交流プログラム「EN-TRY(エントリー)」。ただ、一口に「世界交流プログラム」と言っても、園の方針や思い、そしてこどもたち一人ひとりに違いがあるように、交流ひとつとっても、同じものはありません。

そこで実践園レポート第3弾では、これまで様々な国との交流を行なっている栄美幼稚園(北九州)の廣常正臣園長に、同園の取組についてお伺いしました。



■「おもちゃの贈り合い」で見えた、こどもたちの成長

栄美幼稚園は、これまでEN-TRYを通してフィリピン、ニュージーランド、シンガポールと3カ国との交流を実施。EN-TRY導入園の中でも、最も交流回数の多い園のひとつです。その中でも、3カ国目であるシンガポールとは、通常のビデオレター交換やライブ交流だけでなく、「それぞれの国のおもちゃを贈り合う」という新しい取組に挑戦。実際におもちゃを贈り合うことで感じた魅力を教えていただきました。



正臣園長:今回の交流では、日本からは「コマ」と「折り紙で作った手裏剣」を、シンガポールからは足で行う羽根つきのような「チャプテー」というおもちゃを贈り合いました。実はこの手裏剣というアイデアはこどもたちから生まれたんです。

以前、別の国と交流した際に相手のこどもたちが「お相撲さん」や「忍者」にすごく喜んでくれたことをこどもたちも覚えていて。そこから「折り紙で手裏剣を作ったらいいんじゃないか」という話になりました。最初は「本当に届くのか」「何を贈ったらいいか」と戸惑っていたこどもたちも、実際に折り紙を折り始めると期待感が膨らんできたようで、足りない分を空いた時間に折ってくれる子も出てきました。

もちろん、こどもたちはチャプテーが届くのも楽しみにしていましたが、意外と箱詰めの時の方が盛りあがっていたかもしれません。「手紙も一緒に入れたい!」と声が上がったり、みんなで「届きますように」のおまじないとかけたりしていました。

贈るという行為を通して、「日本らしいものって何なのか」「言葉の通じない相手にどうしたら喜んでもらえるか」など、こどもたち自身が考える良いきっかけになったと思います。


■こどもたちのワクワクを盛り上げる環境づくり

ライブ交流では、届いたチャプテーを手にカメラの前でワクワクしながら待っているこどもたちの姿が印象的だった同園。こどもたちの気持ちを盛り上げる工夫について、お伺いしました。



正臣園長:栄美幼稚園では、先生たちもこどもたちが自発的に気づける環境づくりを大切にしてくれています。例えば日本とシンガポールの国旗が自然と部屋に貼ってあったり、交流クラスの担任ではない先生も家にある地球儀を持ってきて、シンガポールと日本の位置に付箋を貼って置いてくれたり。そうすることで、地球儀を見ながらお互いの国の場所を確認したり、お絵かきの時間に国旗を描いたりする子も多かったですね。

シンガポールからチャプテーが届いた時も、担任の先生と一緒にどう渡すのが良いか話し合い、さりげなくこどもたちが見つけられるところに置いておくことにしたんです。すると、それを見つけたこどもたちが「何かあるよ!!」「シンガポールからじゃない!?」とみんなに教えてくれ、クラス中でワクワクが膨らんでいくのを感じました。

届いたおもちゃの渡し方などは、ちょっとした工夫ではありますが、貴重な機会をどうしたらもっとこどもたちの記憶や心に残せるか、先生たちと一緒にいつも考えています。



■新しいチャレンジで、こどもたちが輝ける場所を増やしたい

「どの子も伸びる」をスローガンに、世界交流以外にも和太鼓や農業体験、漢字教育や英語教育など、年間を通して様々なチャレンジをおこなっている栄美幼稚園。その中で、世界交流を取り入れる理由をお伺いしました。



正臣園長:栄美幼稚園では、卒園までに何かひとつでも得意なものを見つけてもらおうと、様々な取組をおこなっているのですが、世界交流もそのひとつのチャンスとして考えています。

例えば、前回のライブ交流では、代表者が前に出て質問をするコーナーで、あえて引っ込み思案なA君を推薦しました。こどもたちは「挨拶をする」「好きな食べ物を聞く」など、それぞれ目標を持って臨んでいたのですが、A君は「英語で自己紹介をする」ことを目標にしていました。お家でも練習してきてくれたようで、「My name is〇〇!」と皆の前で言えたんです。たった一言でも、海外のお友だちに英語で話せたという経験は大きかったようで、少しずつ他のことにもチャレンジするようになりました。

当たり前ですが、こどもたちの個性はそれぞれ違います。運動が得意な子、勉強が得意な子、リズム感が良い子もいますし、農業体験に夢中になる子もいます。同じように、世界交流で輝く子もいます。世界交流が園やクラス全体にとって楽しい行事であることは間違いありませんが、“誰か”が輝ける新しいチャンスにもつながっていると感じます。


■たくさんの「体験」の中で、ひとつでも未来に残るものを

最後に、幼い頃から海外のお友だちと交流することへの、正臣園長の考えを聞かせていただきました。



正臣園長:先ほども申し上げた通り、栄美幼稚園では様々な取り組みを行っています。ただ、いくら大人が頑張っても、その大半は成長するうちに忘れられていくのが現実です。しかし、自分でも意識しないところで身についているものや、ふとしたきっかけで思い出すものもあるのではないでしょうか。

少し話はズレますが、先日、高校生になった卒園児から「文化祭でお茶をいただく機会があり、ふとした所作を友人たちに褒められ、幼稚園での煎茶のお稽古を思い出した」という話を聞きました。それは本人も意識していない、ちょっとした動作だったと思いますが、その子の中に園で学んだことが残っていることに嬉しくなりました。

園での世界交流という体験も、成長するにつれて思い出としては薄れていくのかもしれません。でも、海外の子と話したという自信や、世界について学んだ経験は、ふとした時に生きてくるのではないでしょうか。この経験を通して、こどもたちの中に何かひとつでも残るものがあれば本当に嬉しいと思っています。


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