2022年10月20日(木)に、ポプラ社のびのび読みアンバサダーでSENSE OF WONDERを主宰する松尾翠さんと、弊社シンクアロットの共同で、オンライン無料セミナー『世界を旅する絵本セミナー』を開催いたしました。多くの園関係者様にご参加いただきましたイベントの様子をご報告いたします。
~絵本読み聞かせで こどもたちの世界観をひろげよう~
「世界を旅する絵本」セミナーでは、“世界観をひろげる”をテーマに、絵本・読み聞かせを通じて、こどもたちの関心・好奇心をひろげるポイントをお伝えしました!
●スピーカー紹介
フリーアナウンサー/SENSE OF WONDER主宰
● 京都在住。 2歳3歳8歳の3児の母。
● 2006年フジテレビ入社。「めざましテレビ」「笑っていいとも」などのバラエティ、スポーツ、カルチャー番組などを主に担当。
●2013年退社し、京都に移住。コロナ前は定期的にこども向けの朗読会を開催。
●3人の子供を出産後、本からつながる色んな可能性を形にする「SENSE OF WONDER」をスタート。本を通して体験することをモットーに、選書、イベント、執筆などを行う。
●現在はオンラインショップで、その月選書したおすすめの本、本と共に楽しめる逸品を受注式で取り扱っている。
●ポプラ社のびのび読みアンバサダー、漫画大賞選考委員
■世界観をひろげるおすすめ絵本
まず初めに、こどもたちの世界を広げる絵本選びのポイントを三つ教えていただきました。
また、それぞれのポイントごとに、こどもと一緒に楽しみたい絵本をご紹介いただきました。
絵本選びのポイント
Point1
絵を見て情緒的に刺激を受ける: 様々なテイストの絵を見ることで、感性が育まれる
Point2
異文化を知ることで好奇心を刺激する: 普段は目にしないような海外の文化などに触れ、もっと知りたいと興味がわく
Point3
広い世界を知り、いつか行ってみたいと想像する: 本を通して世界のことに想いを巡らせ、憧れを持つ
【絵を楽しむ】
てぶくろ 絵 :エウゲーニ・M・ラチョフ
訳 :うちだ りさこ
出版社 :福音館書店
内容:
降りつづく雪の中、ぽつんと落ちていたのは片方だけの暖かそうな手袋。最初に見つけたのは小さなねずみ。新しい動物が登場するたび、子どもたちの心にはドキドキが生まれます。
おすすめポイント:
実はウクライナ民謡のてぶくろ。
絵本を通して「戦争をしている国」という側面でなく、「私たちと同じような、こんなかわいい絵本がある国」とふと立ち返れたりします。
【絵を楽しむ・異文化に触れる】
輝きの季節 絵・文 :ターシャ・テューダー
訳 :食野雅子
出版社 :KADOKAWA
内容:
「おばあちゃま、ママが私くらいだった時のことを話して!」という孫の声に応えて、ターシャが、子どもたちと過ごした豊かな日々を振ります。
おすすめポイント:
イースターやハロウィンなどの海外の年中行事が分かり、日本と同じところ、違うところを感じることができます。こどもにもおもしろく、日本の行事にも好奇心がわいてきます。
【異文化に触れる】
アリババと40人の盗賊 絵 :馬場のぼる
出版社 :こぐま社
内容:
「ひらけごま!」で有名なスリル満点な物語を、原典のストーリー展開を生かして再話。アラビアの不思議な雰囲気を漂わせる絵と、軽妙な馬場流の語り口も魅力です。
おすすめポイント:
私も子供の頃、アリババの物語やアラジンで中東の空気を感じて魅了されました!色々な作家さんが絵本にされています。馬場のぼるさんは11匹のねこの作者の肩です。
こねこのチョコレート 作 :B・K・ウィルソン
絵 :大社 玲子
訳 :小林 いづみ
出版社 :こぐま社
内容:
ジェニーは4才の女の子。弟クリストファーの誕生日プレゼントに、自分のおこずかいで素敵な箱に入ったこねこのチョコレートを買いますが…
おすすめポイント:
パリを感じられる大好きな1冊で風景などナチュラルな体感です。チョコレート屋さんに行ってチョコレートを詰めるのはワクワクする異文化体験。こどもと一緒に楽しめます。
【世界を知る】
しあわせのバケツ 作 :キャロル・マックラウド カレン・ウェルズ
絵 :ペニー・ウェバー
出版社 :TOブックス
内容:
世界中の人が、心に「しあわせのバケツ」を持っています。バケツは、人が喜ぶことをすると一杯になり、逆に嫌がることをすると空になってしまいます。
人同士が思いやり親切にすれば、みんなが幸せになれることを、バケツを例えに優しく説いた絵本です。
おすすめポイント:
内容も色々な国の人達が出てきて、世界中に友だちを作りたくなります。
めくって はっけん! せかいちずえほん 著 :アレックス・フリス
絵 :ケイト・リーク
出版社 :Gakken
内容:
ワールドミステリー!めくってみよう不思議の扉!こどもの想像力をフル回転させる楽しい発見やしかけが盛りだくさん!子どものために作られた地図絵本
おすすめポイント:
世界地図系は数多くありますが、こちらの絵本はめくる場所が多くこどもたちに人気です。世界を知ることは次の興味にも繋がります。
【番外編 写真集】
また、番外編として、松尾さんがぜひみなさまにお話ししたいということで、二冊の写真集をご紹介いたしました。世界の人々のありののままの表情や生活がわかる写真集で、こどもたちは本当の姿をみて興味を持つようになり、松尾さんのお子さんも幼稚園の頃からおきにいりの一冊だそうです。
地球家族
―世界30か国のふつうの暮らし 著 :マテリアルワールドプロジェクト
出版社 :TOTO出版
地球に生きる
―グレートジャーニーのこどもたち 著 :関野 吉晴
出版社 :毎日新聞社
■絵本読み聞かせのポイント
ポプラ社のびのび読みアンバサダーとしても活躍されている松尾さんですが、読み聞かせのポイントについても詳しくお話ししてくださいました。
「こんな読み方でいいのかな?自分のやり方であっているのか自信がない」「読み聞かせが苦手で、いつも苦痛です」といった悩みを保護者から聞くことがあります。これは、プロでいらっしゃる園の保育士さん・先生方にも共通した悩みも少なからずあるのではないでしょうか。
この質問に対して「大前提として、よい読み聞かせに決まりはありません。絵本の世界を愉しむ、それだけでOK」だと松尾さんは仰います。ただ、それでも大切にしている3つのポイントを教えていただきました。
Point1 “正しく/うまく”読もうとしないこと
Point2 一方通行でなくインタラクティブであること
Point3 一緒に『空間』を楽しむこと
さらに、皆様からのご質問にもご回答いただきました。上記のポイントの解説と合わせて、質問へのお答えは見逃し配信でご視聴いただけます。
Q1.
大人数に対して読むときは、一番前と後ろのこどもたちに対して、読み方に工夫はありますか?
Q2.
絵本では、紙芝居のようにあまり感情をこめて読まない方がいいと言われたことがあります。実際のところ、どの程度の読み方がいいのでしょうか? 例えば、声のトーンだけ変えればいいのでしょうか?
Q3.
年齢別の、読み方のポイントはありますか?例えば、年少と年長で違いはありますか?
Q4.
子どもによい絵本を…とよく聞きますが、よい絵本とは何でしょうか?また、よい絵本があるのなら反対に出版されている絵本の中でも"悪い"と言われる絵本があるのでしょうか?
見逃し配信は2022年11月4日まで!お申込みはこちらから、どなたでもお申込みいただけます!
■朗読実演
本イベントでは弊社オリジナル絵本「ちきゅうフレンズ」の読み聞かせを実施いただきました。
「ちきゅうフレンズ」では発明家のセブン隊長のもとではたらく助手ペンギンのスカイが世界を旅して、自分との相違点を発見し、その大切さ、面白さを理解するというストーリーです。
ここでは、その一部を映像と共にお楽しみいただけますが、セミナーアンケートにご回答いただくとフルサイズをプレゼント!
●弊社オリジナル SDGsプログラム「ちきゅうフレンズ」
「ちきゅうフレンズ」は園向けSDGsプログラムとして提供しております。様々な国の人々と、遊びながら友達となり、文化を知り、サステナビリティについて考える、絵本連動型の全8回の動画プログラムです。
今後もさまざまなセミナーや、園のみなさまにお役立ていただける情報を提供していきます!
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